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高速無線LAN-1 [Computer]

最近、高速無線LANの製品が多数出てきました。価格的にも手頃な物もあります。
このような製品は、IEEE802.11n対応とかIEEE802.11nドラフト準拠、あるいは300Mbps転送などと表記されています。
どうも、このIEEE802.11nが良く分からない。実際にIEEE802.11 b/g/n対応製品を設定して見ても、という設定がない。
そこでいろいろ調べて自分なりにまとめてみました。一様自分なりに納得しながらの事ですが、誤っている点などもありましたらお許しください。

IEEE802.11a/gから高速化のための変更点
(1)MIMO(multi- input multi-output)の採用
(2)チャネルボンディングの採用
(3)搬送波数の増加
(4)ガードインターバルの短縮
(5)符号化率の変更

ここでポイントになるのが、(1)MIMO(multi- input multi-output)の採用・(2)チャネルボンディングの採用ですが、それ以外の項目を簡単に説明します。

(3)搬送波数の増加
搬送波数では,802.11a/gは20MHz幅で48波を使ってデータを送っています。802.11nでは4本拡張し,52波を送れるようにしました。チャネルボンディング時は,さらに倍以上の108波で送ります。
(無線LANでは1チャネルの帯域幅が約20MHzと決まっています。OFDMを使うIEEE802.11aと11gの場合,この20MHzの中に52本のサブキャリアを立てて,このうち4本を制御用に,48本を通信用に使っています。)

(4)ガードインターバルの短縮
ガードインターバル(GI)はデータ信号送信時の合間に挿入される意味のない信号を流す期間のことです。受信側で反射によって時間がずれたデータが届いて干渉をするのを防ぐために使います。802.11a/gまではGIが800ナノ秒でしたが,これを半分の400ナノ秒でも運用できるようにしました。

(5)符号化率の変更
符号化は,データの信頼性を向上させるためにデータを冗長化する技術。802.11a/gではデータを本来の1.5倍に冗長化していますが,802.11nではこれを1.2倍にすることで冗長度を低くしました。

IEEE802.11nは2009年9月に規格化されました。(米国電気電子学会(IEEE)は9月11日、無線LAN規格「IEEE 802.11n」を承認した。)
2009年9月以前にも、IEEE802.11n対応のワイヤレスアクセスポイント製品は出ていましたが、「IEEE802.11nドラフト」あるいは「IEEE802.11n準拠」という名前でした。
IEEE 802.11n規格は、現在認定を受け、市場投入されている「802.11n ドラフト版2.0準拠製品」と同じ周波数帯で基本機能の変更なく相互接続性を確保します。
ドラフト認定された機器は最終的な認定プログラムの中核となる要件を満たすため、再テストを受けることなく「802.11n認定機器」として扱えるようになっています。

IEEE802.11nでは、チャネルボンディングとMIMOという大きく2つの技術により高速化を実現しています。
IEEE802.11nは、2つの周波数帯を利用することが出来ます。
1つは2.4GHz帯でこれは、IEEE802.11gと同じ周波数帯です。
1つは5GHz帯でこれは、IEEE802.11aと同じ周波数帯です。

まとめると以下の表の様になります。
wifi01.jpg

これは規格であって、仕様ではありませんから、IEEE802.1n規格の無線ルータでも、2.4GHz帯しかサポートしていない物もあります。
IEEE802.11nの2.4GHz帯は、IEEE802.11gと同じ周波数でIEEE802.11nの5GHz帯は、IEEE802.11aと同じ周波数です。
これらの周波数帯域で、MIMO及びチャネルボンディングの採用により、速度を速くしています。
従って、IEEE802.11nの2.4GHz帯は、IEEE802.11gの延長上にIEEE802.11nの5GHz帯は、IEEE802.11aの延長上にあると言えるわけです。

親機がIEEE802.11b/g/n対応で、子機(ノートパソコンなど)が、IEEE802.11a/b/g/n対応の場合を考えてみましょう。
同じIEEE802.11n規格であっても、親機が2.5GHz帯しか対応していないので、IEEE802.11n規格の2.5GHzでの通信になります。5GHz帯での通信は出来ません。

2.5GHzでも5GHzでもリンク速度(理論値)300Mbpsの速度は出るので問題ありませんが、IEEE802.11gは、チャンネル利用数が限られるのと、他の機器の干渉を受けやすいので、事務所などでは、IEEE802.11nの5GHz帯を使用することを推奨しています。

何か、分かりづらいですが、IEEE802.11n対応機器であっても、IEEE802.11aかIEEE802.11gに対応するかによって周波数帯が違うので方式が変わってくると言う事です。

MIMO(multi- input multi-output)
複数のアンテナを使用してデータを同時伝送することにより無線通信を高速化させる技術です。
下図では送信側、受信側の無線LAN機器において、ともに2つのアンテナがあるとします。
送信側の機器でデータを2分割して、2つのアンテナでその分割データを送信します。
受信側の機器はその分割データを2つのアンテナで受信して、それをもとにデータに復元します。
wifi02.png

これは、送信側と受信側が対応していないと、出来ません。
送信側にアンテナが2本あれば、受信側もアンテナが2本必要です。
送信側と受信側にアンテナが2本あれば、2つの通信路が出来ます。2×2という表示になり、2つのストリームを形成するので、ストリーム数は2となります。
MIMOはIEEE802.11nで規格化されています。
MIMO規格での理論上の最大速度は以下の様になります。
wifi03.jpg

チャネルボンディング
チャネルボンディングの説明の前に、無線LANに関する言葉を理解しておきましょう。

IEEE
電気・電子分野における世界最大の学会。1963年にAIEE(American Institute of Electrical Engineers:米国電気学会)とIRE(Institute of Radio Engineers:無線学会)が合併して発足した。本部はニューヨーク。

IEEE802.11
IEEE(米国電気電子学会)でLAN技術の標準を策定している802委員会が1998年7月に定めた無線LANの標準規格群。

WiFi
無線LAN機器が標準規格であるIEEE 802.11シリーズに準拠していることを示すブランド名。
業界団体のWi-Fi Alliance(旧WECA)が発行しているもので、他社製品との相互接続性などに関する試験をパスした装置にロゴの表示などが許可されている。
ロゴが添付された製品間であればメーカーが違っても組み合わせて使用できることが保証される。

802.11n ドラフト版2.0準拠製品
wifi03.png

802.11n規格
wifi04.png

Wi-Fi Alliance
IEEEによって標準化された高速無線LANの規格であるIEEE 802.11規格群を推進し、相互運用性を保証するための業界団体。通信機器メーカーなどを中心に無線LAN関連業界の企業が参加している。
IEEE 802.11a/b規格の愛称として知られる「Wi-Fi」はWi-Fi Allianceが提唱している名称である。設立当初は「WECA」(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)という団体名だったが、Wi-Fiの名称の普及に合わせ、2002年10月、Wi-Fi Allianceに改称した。

コンピュータハードの世界はいつも複雑です。

無線LANの世界も同様で、規格を定めているのが、「IEEE」で無線LANの規格は「IEEE802.11」と呼ばれ「IEEE」の「802委員会」が策定しています。 「IEEE802.11」規格に準拠している事を示すブランドとして「WiFi」があり、「Wi-Fi Alliance」が提唱している名称です。 「Wi-Fi Alliance」は、無線LANの規格であるIEEE 802.11規格群を推進し、相互運用性を保証するための業界団体となります。
高速無線LAN-2へ続く


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